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働く母さんのブログ。本ブログの内容は個人的なものであり、私の所属する企業等の立場、戦略、意見を代表するものではありません。

上の子が小学校1年生になりました - 我が家の小1の壁の話

過去の予習はこちら。

入学前 (2~3月)

聞き及んでいた通り前年年度末も忙しかったです。

保護者間の資料はGoogleのあれこれで共有した

保護者有志で謝恩会・記念品作成なども行われていたので、話し合いの議事録や資料共有にGoogle Docs、謝恩会で流すビデオの素材共有にDrive、謝恩会や記念品などの会計を取りまとめるのにSpreadsheetを使いました。個人的には、あちこちで立替が発生していたお会計を、Spreadsheetで一元化して複数人で編集可能にしたのは良かったのではないかと思います。

入学前の持ち物購入は同級生を誘った

抜け漏れがないよう買わないとと思って誘ったのですが、相談しながら買うこともできるので良かったです。あと多分、Amazonで一つ一つ子供と相談しながらポチるよりも、お店でその場で子供に決めてもらった方が早い。

事前にあってよかったもの

  • 名前のシールとスタンプ: シールだと子供本人が貼れて親の手間が省けますが、計算カードはシールだと厚みが出てしまうのでスタンプが必要でした。
  • 認め印のハンコ: 友人に入学祝で可愛いのを頂きました。宿題確認などの印に便利。
  • 名入り鉛筆: 保育園卒業の記念品で皆で作ったりお祝いで頂いたりしました。文房具は柄入りが駄目な学校もあるので事前確認が必要です。

袋物はサイズ指定がなかったので適当に購入しましたが、もしも自分で1つ作るなら給食袋にすると思います。子供が毎日見るので。

入学後 (4月)

 入学式当日は全休を取った

入学前の保護者会もですが、親が学校に行くたびに書類や、教科書や算数セットなど名入れが必要なものをたくさん貰い、提出書類は翌日~数日後が期限でした。(健康連絡、非常連絡先、PTA希望票など)

明日何が必要になるのかも書類の中に書いてあり、当日中に全書類を読む必要があったため、午後から会社に行こうと思ってたけど諦めました。

同じクラスのグループLINEを作った

保育園時代のグループLINEで「明日の時間割がわからない」「家庭訪問の日程プリントがない」という話が上がったので、同じクラスのグループを作って「期日までに持っていくよう言われたものを早めに持たせたら、ただ毎日持って帰っているが、どうしているか」といった細かい話をしています。

夜やることと持ち物のリストを作って子供の机の横に貼った

  • 晩ごはん前にやること: 宿題の残りをやる、連絡帳とプリントを親に渡す、…
  • 晩ごはん後にやること: ごはん前にできなかった残りをやる、明日の支度をする、…
  • 持ち物: 明日の教科書とノート、ふでばこ(えんぴつをけずる)、ハンカチ、…

の分類でリストを作って子供の机の横に貼りました。用意がしやすいようハンカチやランチマットの収納場所を固定し、教科書も机の棚に置くことにしました。3日目ぐらいから「自分でできる」と言って勝手に用意しだしたので良かった良かった。

自治体の警報通知メールサービスに登録した

休校や早退に関わる警報・特別警報を知らせるLINEグループをつくろうと思ってApps Scriptを書きかけたんですが、よく見たら区のメールサービスに警報のお知らせがあったので、ひとまずそちらの登録をしました。

学童の自習時間の教材を買いに行った

学童では自習時間が決められていて持ち込み教材で勉強するようなのですが、大抵の子は進研ゼミのチャレンジ1年生を持っていました(やっていなくて、親にねだって始める子もいました)。

チャレンジは年齢に合った良くできた教材だと思うのですが、上の子は勘が良くて集中力もあるため1か月分の教材を2日ぐらいで片付けてしまい、追加教材の考える力プラスも苦戦しつつ1週間程度で終わるので、「はじめての論理国語」「ドラゴンドリル」「さきどり理科」などを買いました。徐々にやらせて反応を見ていく予定です。

大人抜きで公園から友達の家に行ったので説教した

1人で出かけるときのルールを決めていなかったので、夫付き添いで公園に遊びに行かせたら、夫に声もかけず、公園までは持っていたキッズケータイも置いて友達の家に行ったので、子供と見逃した夫の両方にがっつり説教しました。

ひとまずキッズケータイを自然に携帯する癖がつくまでは1人行動禁止にしましたが、3月のうちに明確なルールを作るべきでした。

学童が混んでいるので、習い事を増やす方向で調整中

学童では初日から「2年の子に遊んでもらった」などと言っていたので、良かった良かった、と思っていたのですが、3週目末に「混んでて嫌」と言い出したので、習い事を増やす方向で検討中です。

入学までにやっておいて良かったこと

「やることをやってから自由に遊ぶ」という行動パターンの確立

うちは3~4歳の頃から、朝の食事 → 皿の片付け → 着替え → 歯磨き・洗顔 までは完全にルーティンでやらせています (終われば保育園に行くまではテレビでもiPadのアプリでも自由)。そのおかげか、帰宅後に宿題から明日の準備を終わらせるまで一気にやる流れもスムーズに導入できて、やることが増えたわりには親子ともに比較的ストレスが少ないように思います。

ソーシャルスキルレジリエンスの育成の意識

1年生の環境の変化に必要なのは、勉強の先取りや長時間机に座らせることよりも、教室や学童での人間関係などの快適な環境を作るソーシャルスキルや、上手くいかなくてもめげない心のレジリエンスなのではないかと思います。

子供に発達障害の兆候はないのですが、「自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本」「発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本 」などは参考になりました。

  • 「人に相談する」「一定のルールを守る」といったソーシャルスキルは、自律スキルと両輪で獲得していく。できることとできないことを理解し、希望を伝え、人に頼る。人と一緒に喜ぶ、楽しむ。
  • ストレスを受け止め、逆境の中で折り合いをつけて適応できるよう、未知のことにチャレンジする気持ち、未来に対する肯定的な気持ち、感情のコントロールの能力を育てる。

といったことが書かれています。

自立とは「依存先を増やして、一つひとつへの依存度を浅くする」ことだと話す方もいるように、より安定して快適に日常生活を送るため、自分でできることを増やす一方で、適度に他の人を巻き込んだり助けてもらえる人、自分を大事にしながら出来る範囲で他の人を助けられる人になってほしいと思っています。

大人の世界でも心理的安全性 (サイコロジカルセーフティ) の話が流行りましたが、挑戦 → 失敗 → 獲得を子供が安全にたくさん行うためには、自分の子供だけでなくグループ全体で心理的安全を保つことが望ましいと考えています。

なので、学童の迎えの時に知っている子に会ったら、「〇〇ちゃん元気?」と声をかけて、何か話しだしたら、長くなりそうでもなるべく聞くことにしています。

アプリの活用

トドさんすうとThink! Think! で遊ぶのは2年ぐらい断続的に続いていて(参考)、簡単な数量とたし算・引き算、パズルをロジカルに解くことをそれなりに身につけたようです。

鉛筆を持って字を書くのは子どもには結構難しいので、字を書くことが本質的に必要でない学習にはペーパーよりもアプリを使う方がストレスが少なくて良さそう。

今後の課題

出かけるときには必ずキッズケータイを持っていく、子供だけでお菓子を持ち寄って食べないなど、小学校から渡されたきまりごととも照らし合わせながら、小学生の生活実態に合わせたルールの策定が早急に必要なことがわかりました。

また、ルールの背景になる知識、たとえばセクシュアリティ教育なども少しずつ入れ込んでいく予定です。これは夫にも同じ内容を伝えようと思っています、痴漢などに逢ったことがない人にはピンとこないことだと思うので。

 

保育園時代は先生が発達やメンタルのケアなどもしてくれていたし、子供も自分でできることが少ないので、家庭での親の役割は「迎えに行って連れ帰る」「ご飯を食べさせる」「お風呂に入れる」など、明確に機能の定義ができるルーティンワークが重要でした。

今後は「自分でできることとできないことをそっと見極め、できないことはサポートを促す」など認知的には高度かつ非定型な役割が増え、親は子供に何を優先して提供すべきなのか、意識改革が必要だと思いました。

 

ともあれ、本人は新しい友達も出来て、比較的スムーズに立ち上がり、とりあえず良かったかなと思います。でも私は不慣れなことや準備不足なことも多くてバタバタしているし、他のお母さん方に色んなことを確認したりしてコミュニケーション量も増えて (コミュ障なのに) 、疲れています、とても疲れています……。

私はこうやって8年前に入りました、の話

子供の小学校入学のバタバタで完全にビッグウェーブに乗り遅れたので簡単に。

8年前にソフトウェアエンジニアとして入社した時の話です。(今は別の仕事をしています)

入社前

情報工学系の学部・修士を出て、他の外資の基礎研究所の研究員をした後に、数年、ITアナリストという仕事をしていました。知っている人は知っている(と思う)「ITロードマップ」など書いているところで、当時「クラウドの衝撃」 のシリーズなどで有名だった先輩が今はマネージャーだと聞いてます。

ITロードマップ 2019年版: 情報通信技術は5年後こう変わる!

ITロードマップ 2019年版: 情報通信技術は5年後こう変わる!

 

このあたりとかたしか自分です(うろ覚え)。前職が研究開発以外なのは珍しいかも。

転職のきっかけ

仕事自体は面白かったのですが、実際の製品開発経験や勘どころがないために自信をもって話せない、技術専門職でない方にわかるように上手く話せない、といった悩みがあったり、せっかく情報工学科を出たのに一度もプロダクションのコードを書く仕事をしないままなのは残念だと思ったり、ちょっとニッチな仕事なので先々のキャリアが不安だったり、で少し他の道を検討し始めた頃に、1社目から転職してた後輩が「最近六本木に移ったんですが、社食ができて美味しいので食べに来ませんか」と誘ってくれて、実際ご飯が美味しかったのでその場で話したリクルーターさんにレジュメを送って受けました。

自分にとっては、1社目時代(たぶん2007年前後)に、研究所の研究員みんなに「エンジニアを採用し始めたので一度カジュアルに見学に来ませんか」というメールが送られてきたのが話題になって「なんかすごい怪しいんだけど…」という認識の会社だったので、最初の転職の時には考慮に入れてなくて、知り合いに誘われてやっと受けに行けた感じです。

当時の渋谷のセルリアンのオフィスも一応見学に行ったのですが、ごはんがケータリングだったのと、当時の勤め先の方が個人の座席が広かった(150cmぐらいのパーティションに区切られていてL字型の大きな机と本棚とロッカーがあり、最高レベルの引きこもり環境)ので、あまりグッとこず。

仕事内容(と1社目の住宅補助を考慮してもまださらに上がったお給料…)に惹かれて転職した2社目は席間が狭かったのと、皆がカジュアルに話せる休憩スペースなどの遊び空間がないのが辛かったので、比較して良い生活環境を求めていたということも転職理由にありました。生活環境超重視派ですみません…。

入社試験

ホワイトボードでコードを書くらしい、最近コード書いてないからちょっと勉強するか、と大学時代のアルゴリズムの本を読み返して多少書けるようにしました。当時は "Cracking the Coding Interview"も日本ではそんなに知られていなかったと思うのでその程度でも済んだと思いますが、最近の人たちは前提知識があるがゆえにちゃんと対策しないといけなくなってそうで大変だなと思います。

ちなみに新卒1年目に真っ先に身につけたことに、人と喋るときには「わかった」「わからない」「ここまではわかる、ここからがわからない」「考えればいけそうなのでちょっと考えたい」といった自分のステートを明確にする、ということがあるのですが、面接でもそのあたり意識して受け答えした記憶があります。

英語は当時の最新がTOEIC860だったと思いますが、1社目の経験により英語で仕事をするときの勘所は多少あった(というか、とにかくコミュニケーションを取る!という気合が必要であることを知っていた)ので、英語が心配な人には参考にならないので割愛します。なお新卒時は740です。

入社後

データと計算資源がすぐ使える状態にあるのは当時の私には普通でなくて嬉しかったです。あと議事録がGoogle Docsなので謎の複数バージョンができることなく1つのドキュメントをオンタイムで皆で編集できること、ミーティングが30分単位が基本なこと、目標設定が半期ではなく四半期、というのも新鮮でした。

私はいわばキャリアチェンジをしたくて受けたのですが、たまたまそれが、コードがゴリゴリかければそれでいいというタイプの採用をしていない会社だったのが幸運だったと思います。今は会社自体が昔より有名になってる…からかどうかはわかりませんが、入ってくる人たちはみんな当時の自分より全然優秀だなあと思います。

一方で、当時はこういう会社は日本には少なかったと思うんですが、今は他にも選択肢があって、実際弊社から他の会社に行く人もちょくちょくいて(今回の発端とか)、マーケットが大きくなっているのは良いことだと思います。

4歳・6歳の子供と実母とダナン・ホイアン・フエに行きました

子供2人と母とわたしの4人で4泊6日でベトナムのダナン・ホイアン・フエに行きました。

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基本、曇りか雨。

事前準備

持ち物リストを見ながら準備。今回はSIMの事前購入に加え、迷子タグ兼で子供たちの名前と連絡先を書いた探し物発見器を子どもの足につけました。

 道中でGrabもインストール。ダナンのみで使いましたが最初についてたクーポンだけで結構乗れました。

(英語が喋れれば)とても気楽に過ごせる国だった

ベトナムでしたが、フエとホイアンのホテルではチェックイン時に流ちょうな英語で周囲の観光名所の説明をしてくれましたし、1kgあたり2ドルで洗濯をしてくれて(冬で雨期とはいえずっと半袖でいる程度の気温だったのでありがたかった)、タクシーのアレンジをお願いしても1日50~70ドル程度で3/4で英語を喋れる運転手に当たりました。

治安の悪そうな雰囲気もなく、歯磨き・うがいの水はペットボトルを使ったものの誰もお腹を壊すこともなく、フエのパゴダの公衆便所と移動中に入ったカフェが和式+手桶で水を流す形で苦戦した程度で有名な観光地のトイレは大体整っていたので、子連れでもそう大変ではなかったかなと思います。

食事も4人で25ドル程度で十分美味しいものが食べられるので、金額を気にせず食べられるのも良かったです。1回だけダナンでマイリンタクシーに乗ったらぼられましたが、その後はGrabを使ったので特に不愉快なことはありませんでした。

ホテル手配のタクシーはホテルでクレカ払い、食事や買物もクレカで払えたので、現金が必要だったのはチップ、マーケット、流しのタクシーぐらいでした。

またベトナムに行くなら4つ星以上のホテルに泊まりたい

イメージ通り原付がガンガン走っていたので子連れで長距離の徒歩移動は難しくてタクシーで点での観光になってしまう上、子供と母と一緒となると「晩御飯はホテルで」となりがちなので、美味しいレストランがついているような、もっと良いホテルにすれば良かったなと思いました。

今回はネットで3つ星のホテルのファミリールームで探して泊ったのですが、4つ星以上だったら良かったのかな。でも今回フエで泊まったHue Serene Palace Hotelはレストランのご飯が美味しかったしレセプションもレストランも親切で良かったです。

ダナンはホテルは全然ダメだったけどミーケビーチの近所にしたこと自体は正解でした。波が荒すぎて泳げないけど子供が楽しそうに海岸で遊んでたので。

今回のスケジュール

タクシーでもホテルのレセプションでも「え、それだけしか居ないの?」と言われるような短期滞在だったようです。

  • 1日目(終日曇) 成田~ダナン空港~ラップアン湾~フエ
  • 2日目(終日曇) タクシー貸切でフエ周辺観光
  • 3日目(豪雨/曇) ホイアンに移動、観光
  • 4日目(雨/曇) ミーソン聖域経由でダナンに移動、ミーケビーチと買物
  • 5日目(終日雨) ミーケビーチ、五行山、サンワールド(遊園地)、深夜便で帰国

1日目は機内エンターテイメントのないベトナム航空で6時間~車で2時間以上の移動で流石に子供も親も疲れました。機中後半、子供たちはひたすらiPadふたりはプリキュアを見ていました……。

ダナンではスーパーもさっと回れたし市場も「匂いが嫌」と子供も母も言うので早々と退散してしまいやることがなかった……ので遊園地に行ったけど15時開園だったし……ずっと篭ってゆったり遊べるようなホテルに泊まるのが正解なんでしょう。

 

今回を踏まえ、次回はハノイとニンビンあたりに行きたいなと思います。

「認知や行動に性差はあるのか : 科学的研究を批判的に読み解く」を読みました

性差についてはまずこの本を」というのをTwitterで見かけたので読みました。

認知や行動に性差はあるのか: 科学的研究を批判的に読み解く

認知や行動に性差はあるのか: 科学的研究を批判的に読み解く

 

認知や行動に性差はあるのか:ほぼない、個人差の方が圧倒的に大きく、性差は限定的(あっても数%)

和題に対する結論を非常に乱暴に言えば「ほぼない。個人差の方が圧倒的に大きく、性差が示されているのはごく一部に限られ、その場合も性差の影響は数%」だと思います。

#女性差別大賞2018 にもある、今年起きたあれこれは何だったんでしょうかね。

心理学的性差の既存研究と解釈におけるバイアス

本書は原題が "Thinking Critically about Research on Sex and Gender" で、性差の有無に答えるというよりは、既存の性差関連研究を批判的に見ていくものです。

著者はカナダ・アメリカの先生方なので、西洋的な論調に慣れていないと、訳者(神戸女学院の先生です)があとがきで書くとおり「かなりくどい」かもしれません。しかし研究者、またその研究を解釈する我々にとって重要な指針が数多く説かれており、読み方によっては、研究リテラシーを事例とともに説いている本とも言えるでしょう。

批判として思いつくのは、工学出身者としては統計学的な観点や再現性です (例えば「女性の脳梁は男性より太い」という有名な話は、1桁の人数での調査であり、後の調査で再現性がないことがわかりました) 社会学的な観点が絡む研究では、他にも注意すべきことが色々とあるようです。

仮説のバイアス:「性差があるはずだ」という動機で研究が行われる

現代の科学は、ヨーロッパのビクトリア時代の影響を強く受けている。その当時、ヨーロッパの科学的研究において、いちばん影響力をもっていたのは、中流階級か裕福な白人男性だった。その時代の人たちは、ユダヤキリスト教の伝統に強く影響されており、そこには女性が男性よりも劣っていることを「証明する」物語があふれていた。

(中略)

彼らが自分たちの集団は優れているという考え方を広めるようなリサーチ・クエスチョンを選んだのは、驚くことではない。たとえば、男性が優れた知的能力をもっているかどうかを確かめるのではなく、男性が知的に高い能力を持っているのはなぜなのかを証明しようとすることで、科学者は現状維持に関与してきたのである。

(第2章 性差研究の歴史を簡単に展望する)

現代でも研究は「これを研究したい」という強い動機があってやるものですから、フェアな問いを立てるのは難しいと考えられます。個人がフェアにできないという前提に立てば、研究コミュニティが多様であることが望ましいと個人的には思います。

証明方法のバイアス

そもそも男性女性という自己申告で正しいデータが取れているのかという指摘から始まり、本書では手法により結論が全く変わる事例がいくつも紹介されています。

回想法では月経前のみ不調になるあるいは月経前はたいてい不調になると報告した女性が、その*時々で記録をつけたところ、報告したようなパターンが見られなかったということだ。

*抑うつ、低い自尊心、他社に対する否定的な態度のような問題

(第8章 ホルモンが女性をつくるのかーーあるいは男性も)

男性の攻撃性が人類の生存のために必要だと主張している理論家は、その主張を支持しようとして、ヒト以外の動物の行動を利用することが多い。しかしながら、従来の理論化は、自分の理論を「証明」するために、研究対象にする動物を慎重に選んでいたことが、多くのフェミニスト研究者によって報告されてきた。彼らは、オスとメスの行動がいちばん異なる動物や攻撃行動がよく見られる動物を選ぶ傾向があった。

(第12章 攻撃性の性差)

女性はマゾヒスト、育児の問題は母親のせい、といった言説は、サンプル数(セラピストによる少数の事例)やサンプリングの偏り(育児の相談に来るのは大抵が母親)もバイアスの原因のようです。

解釈のバイアス

他人の行動を観察している人たちは、問題ある行動だけを、女性の生物学的なものが原因だとみなしたという。好ましい行動をした人が月経前だと言われた場合には、その行動はその人のパーソナリティや状況の影響によるものと解釈された。

(第8章 ホルモンが女性をつくるのかーーあるいは男性も)

前段の引用と同じページにあったのでそのまま引いてきました。筆者は次のようにも言っています。

研究には限界があることを知っていれば、どのように研究を解釈するか、そのデータがどのくらい信用できるか、どのくらい重要な研究なのかを判断する際に、役に立つはずだ。バイアスのかかった実験だからというよりも、研究者も一般の人も、実験を評価する際に誤りやバイアスを考慮しないということが問題なのである。

(第3章 性別とジェンダーの研究に科学的方法を用いる)

公刊のバイアス:性差がないという結論は世に出ない

工学でも性能が出なければ没にするように、「差異がない」という結論になった研究は、公刊されにくいため「お蔵入り」になります。男女ではほとんど差異がないにも関わらず。

そして、論文を書かなければならないという動機から、研究者も採択されやすい研究トピックを選択します。

結果の利用におけるバイアス

結果の表現も、悪意のある解釈や、拡大解釈が可能です。

19世紀においても、女性の優位性を示すデータを否定できなかったとき、そのデータは女性の信用を落とし、恥をかかせるような形にゆがめられた。

(中略)

女性は知覚が非常に敏捷だが、そうした特性には「嘘をつく」傾向、つまり「ほとんど病的な」特性が伴うと指摘したのである。

女性の方が優れているとされる言語能力を、現代人が、しゃべりすぎもしくは軽率なおしゃべりといった品位のない行動に結びつけることと、実はそれほど変わらない。

(第6章 女性は男性より高い言語能力をもっているのか)

各論について

3~13章の構成は以下の通り。

第3章 性別とジェンダーの研究に科学的方法を用いる
第4章 男の子は女の子より数学ができるのか
第5章 空間能力の性差
第6章 女性は男性より高い言語能力をもっているのか
第7章 脳の性差に関する最近の研究
第8章 ホルモンが女性をつくるのかーーあるいは男性も
第9章 セクシュアリティ
第10章 女性のマゾヒズムについての神話
第11章 対人関係能力は「依存性」と呼ぶほうがよいのだろうか
第12章 攻撃性の性差
第13章 母親非難

各論どの章も面白く、3章までに書いた通り徹底的に批判的に見ていくのですが、

数学能力において得られた性差は変わりやすく、見いだされないことも多いし、非常に変動しやすい社会的要因や実験上のせいだとするのがもっともらしいように思える。

(第4章 男の子は女の子より数学ができるのか)

 と比較的穏やかな章もあれば、

女性はホルモンのせいで信頼できないとされ、それを理由に権力ある地位から閉め出されてきたのだが、男性はホルモンのせいでコントロール不可能な攻撃性があるとされているにもかかわらず、国を治めることや飛行機を操縦することが許されている。

(第8章 ホルモンが女性をつくるのかーーあるいは男性も)

女性は苦痛を喜ぶと信じている多くの人たちは、社会における女の子や女性に対する扱い方を改善しようとしない言い訳として、その信念を使っている。

(第10章 女性のマゾヒズムについての神話)

我々の社会では、母親非難を強化することで、現行の経済的・政治的権力の配分が維持されている。

  • 母親に不安を感じさせる。その結果、彼女たちはこれまで以上によい母親であろうと大きな力を注ぐことになる。自分自身や他の母親にとって、ものごとがもっと楽になるよう、そして、圧迫感を減らそうとすることはない。
  • 母親に不安を感じさせる。その結果、彼女たちは、自分の母親も含めて、他の女性よりも良い母親であろうと力を注ぐことになる。
  • 娘や息子の怒りを母親に向けさせることで、母親は無能でばかげていて……という神話をあおり、母親を力なきものにする。
  • 主要な社会的病理(子どもの非行、離婚、薬物乱用など)を母親のせいにすることで、母親という制度以外の制度(政府、教育制度、大企業など)の変化を求める圧力をそらしてしまう。
  • ここにあげたような方法を通して、女性どうしを敵対させ、組織的な権力格差に打ち勝つために団結するのを防げる。
(第13章 母親非難)

という強い口調の章もありました。共著なので著者の色が出ているのかもしれません。

特に「どのような問題であろうと、そのすべてが母親のせいにされる」で始まる13章は強く感じました。

 

ここに書いたことは私なりの理解に基づいたまとめであり、間違いもあると思います。研究リテラシーを養い、性差研究を俯瞰する本としておすすめなので、ご一読くださいませ。

長距離移動での幼稚園児向けおもちゃ

うちの5歳・3歳は乗り物酔いが少ないので、新幹線や飛行機には遊べるものを持ち込みます。色々試した中で、良かったものを中心にいくつか挙げてみました。

お絵かきセット

まずはらくがきちょう、というより大量の白紙。渡すと勝手に絵を描いたり塗ったりしてます。線があるノートは論外としても、色画用紙は変化があっていいかと思いきや、絵が描きづらいようで不評でした。

描く方の道具としては、クレヨンは描きやすいけど重め、ペンは軽いけど塗り味が単調で飽きやすいので、移動時間が長いときはクレヨン、短いときはペンのセットにします。机についてしまうことがあるのでウェットティッシュも必須。

黒ペンも持っておくと、自分が絵を描いて塗り絵も作ってあげられますが、序盤から出すと何枚も描かされて大変なので、終盤に困ったときに出すぐらいで良いと思います。

折り紙

キラキラや模様入りでなくても全然良いので、それなりの枚数を持っていきます。セロテープもあると工作や大作に発展できるので良いかもしれません。

シール

丸シールが一番便利。子供の手先の巧緻性によりますが、年中ぐらいまでは一番小さいものは外す方が良いかもしれません。白紙にモザイク的に模様を作ったり、描いた絵をデコったりと、複数の遊び方があります。

モンテッソーリのお仕事のようなシール貼りも、3歳ぐらいまでは保育園でよくやっていたので、台紙をプリントアウトして持っておくといいと思います。

 シールブック的なものの場合、うちは1枚絵になるものの方がじっくり取り組めるようです。例えばこういうの。

ハローキティ どこでもシールバッグ

ハローキティ どこでもシールバッグ

 

下記のような冊子の場合、複数のページがあるから楽しめるということでもないようで、1ページ当たりのシール枚数なり密度なり貼る場所の自由度なりが中途半端になるのか、うちの子はすぐ飽きます。うちは1つのことをじっくりとやるのが苦にならない方なので、気が散りやすい子は逆に合うのかもしれません。

はじめてのシールブックセット

はじめてのシールブックセット

 

本 

子供とのやり取りがあって、聞くだけで終わらないもののほうが、集中力も続くし気分が変わって良いようです。あとは読みきかせする自分が楽しいもの。自分も疲れているので、楽しくないと苦痛です。

 我が家の鉄板はおしりたんてい。うちは、上の子(年長)が勝手に1人で読んだり、下の子(年少)に読み聞かせながら一緒に遊んだりもできるので、小さいサイズの方を持っていきますが、上が年少ぐらいのご家庭は大きなサイズの方が良いかもしれません。

おしりたんてい いせきからのSOS (おしりたんていファイル)

おしりたんてい いせきからのSOS (おしりたんていファイル)

 

 「ざんねんないきもの事典」は、親がちょっと話を膨らませる必要がありますが、1トピック1、2ページで終わるし、目次を見せて「次どの生き物にする?」と選ばせながら読めるので、気分転換になります。

おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典

おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典

 

iPad

うちのiPadに入っているアプリは下記の通りですが、アップデートをしていない、ネットワークがない、といった場合に使えないものも多いので、事前の確認が必要です。

Amazon Primeビデオでしまじろうやトーマスをダウンロードしておいたりもするのですが、毎回なぜか集中力が続かず30分ぐらいで飽きるので、期待しないようにしています。

 

普段保育園などで慣れているものの方が長時間遊べるようで、全体的にシンプルなものに落ち着いています。

5歳の(絵)本

上の子の保育園では、年長になると昼食後の昼寝がなくなり、その代わりに読書など静かに遊ぶ時間になるようです。そのおかげか、帰宅後、夕食後に下の子がまだ食べている間などに、静かに1人で本を読む時間が増えました。

 

併せて私からも、徐々に「絵本ではなく文字中心の本の体裁をしたものにもっていく」「漢字まじりで総ルビの本も混ぜる」という方向で考えているのですが、絵本と本の中間の体裁で今子供がはまっているのがおしりたんてい。

どこから知ったのかまずアニメのテーマ曲を踊っていたので原作を見てみたところ、ちょうどいいボリュームだったので、徐々に増やしています。

 

わくせいキャベジは絵本というよりは図鑑風で、結構難しい漢字も使ってますが、コンセプトが好きみたいで子供が良くパラパラと見ています。こういうのももっと発掘していきたいところ。

わくせいキャベジ動物図鑑

わくせいキャベジ動物図鑑

 

 

おしりたんていきっかけで、同じようなサイズの本も読むようになりました。

エルマーのぼうけんは5歳になりたての頃に買っており、当時は見向きもしなかったのですが、おしりたんていと同じサイズでボリュームもそう差がないので横に並べておいたら、勝手に読むようになりました。

エルマーのぼうけん (世界傑作童話シリーズ)

エルマーのぼうけん (世界傑作童話シリーズ)

 

 

 小沢健二なので家にあったもの。総ルビとはいえまあまだ読めないでしょう、と思っていたら、たまにパラパラしているようです。

 

ゾロリは私は未読だったので試しに1作目を買ってみたのですが、ゾロリって悪者だったのか、どうしようかなあ…と思いましたが、とりあえず新作も買いました。これも自然に読んでいます。

 

1人で片っ端から読むようになった時点で「もう放っておけばいいか」という気もする一方、文字ばかりでも読めるようになるまではもう少しかかりそうなので、良いブリッジを見つけたいところです。

 

追記:友人からくもんのすいせん図書をすすめてもらいました。これは確かにステップが刻めてて良い感じ。

 

4歳以前はこちら。

手話のはなし

2月に異動した部署にろう者の同僚がいたことをきっかけに、手話に触れる機会ができました。

日本語と日本手話の文法は違う

例えば「何か飲みたい?」だと「飲み物+希望+疑問形」となるようです。
Eテレの「みんなの手話」では第1回目から明確に文法の違いの話をしていたので、非常にわかりやすくなりました。

www.nhk.or.jp

顔の筋肉を動かす必要がある

手だけではなく表情も文法の一つで、疑問形は眉を上げたりする必要があります。慣れていないと動かないので、全然できません。

blue.ribbon.to

方言がすごい

英語手話というものはなく、アメリカ手話とイギリス手話ではアルファベットの指文字から違うようです。同僚を見ていると、通訳さんと固有名詞などの未定義語のサインをしばしばその場で決めていたりするので、方言ができるのも自然だと思いました。

アメリカ手話 - Wikipedia

遠くやガラス越しでも喋ることができる

見えればいいので、うるさい場所や、大部屋の端と端、ガラス越しなどでも喋ることができるようです。便利。

大勢の人が手話で話していると賑やか

会社でろう者に自社のアプリを紹介するイベントがあったので少しだけ参加したのですが、会が始まる前に皆が手話で会話しているのを見ると、漫画で「ガヤガヤ」とか「ペチャクチャ」とか入ってるコマのような賑やかさだなと思いました。

実際、手話でも動作を小さくすればひそひそ話になるようです。

手話を長時間見ているとすごく疲れる

自分は聴者で、耳から入る情報は雑音をフィルターアウトして欲しい音だけを集中して情報処理するようなのですが、一方で目からの情報はいわゆるカクテルパーティー効果が効かないらしく、上記のイベントのランチタイムなどにそこかしこで雑談をしているときは視界の複数個所がちらちらして、何か意味のある情報を抽出しようとしても全然できませんでした。言語への理解度もあり、何もわからないのに情報量の多い映像だけ流れてきてただただ疲れていくという…。

カクテルパーティー効果 - Wikipedia

 

同僚と喋るときに使える単語をおぼえたり、Eテレを見たりするだけですが、異文化交流感があってちょっと面白いです。