自分のキャリアとはもちろん比べ物にならないけど、トップの地位で家庭とバリキャリをジャグリングさせて来た方の深い考察はとても勉強になりました。
仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント
- 作者: アン=マリー・スローター,篠田真貴子(解説),関美和
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2017/07/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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筆者のアン=マリー・スローター先生はプリンストン大学公共政策大学院院長の後に単身赴任で2年間ヒラリー・クリントン国務長官の下で政策企画本部長を務めていたところ、息子の問題行動が増えたので、サバティカル扱いの2年が終わるとワシントンのポストから降り、「なぜ女性はすべてを手に入れられないのか」を書いて話題になった…という方。
序文としてご自身の経験を語った後に、前半はいくつかの「ウソ」を指摘していきます。
女性神話のウソ
「必死に仕事に打ち込んでいけば、すべてを手に入れることができる」のウソ
「協力的な相手と結婚すれば、すべてを手に入れることができる」のウソ
「順番を間違えなければ、すべてを手に入れることができる」のウソ
男性神話のウソ
「男性もすべてを手に入れることはできない」のウソ
「子供には母親が必要だ」のウソ
「家族を養うのが男性の仕事」のウソ
職場のウソ
「それは女性の問題だ」のウソ
「柔軟な働き方が解決策になる」のウソ
「誰よりも長時間働く人が一番仕事ができる」のウソ
例えば女性の問題のウソについては、育児や介護(ケア)の問題(それに会社の問題)である、と言われており、ケアの地位が低いのが問題だという話は後半に丁寧にされています。
まとめてみようかと思ったのですが、どのページもすごく印象的なことを言っていてすごく難しいので諦めました。「LEAN IN(リーン・イン) 」のように鼓舞される、希望が持てる、というよりは、今の状況を整理し腹落ちさせ問題提起する本だという印象です。
解説のほぼ日の篠田真貴子さんのnoteも語りつくせていないと思うし、人によって切り取るところも違う本だと思うので、「仕事だけしていればいい」という立場の人以外は多くの発見があると思います。
スローター先生はTEDでもお話しされています。