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働く母さんのブログ。本ブログの内容は個人的なものであり、私の所属する企業等の立場、戦略、意見を代表するものではありません。

2019年に読んだ本

ほとんど理工書を読まない1年でした。

どのような言語が消滅の危機にあるかというよりは言語の多様性の説明に重きが置かれており、言語学の入門書的な位置づけにもなるのではと思います。全ての言語がSVを備えていることが示されていない中で普遍文法とは、という姿勢で話が進むので面白いです。例も豊富で、前後左右がなく全てを東西南北で表す言語での生活は私は無理そう。
昨年から日本手話を習い始めたので、より面白く読めました。

ヒトラーの正体 (小学館新書)

ヒトラーの正体 (小学館新書)

昨今の政情を見ていると「人類には民主主義も早かったのでは」という気持ちになり、関連しそうな書籍をいくつか。

民主主義にはそれなりに知識のある厚い中間層と公開討論が必要だが、デジタルテクノロジーが多極化を分断を産んでしまい、個別にターゲティングすることで各グループを操ることが容易になっているという話。

一方、民主主義の危機においては非民主主義的なプロセスで独裁者を阻まれている歴史があるという話。

ヒトラーの台頭した時代のドイツは世界で最も民主主義的で、第二次世界大戦後でも「ヒトラーの時代は良かった」と言うドイツ人がしばしばいて、ドイツに留学していた舛添要一は長らくヒトラーに興味を持っていたとのこと。広告やマーケティングが図抜けていた、国民も「自由からの逃走」を望んでいた、といった考察にも比較的ページを割いているものの、新書なので全体的にさらっとしていて、折角長年追っていらしたのだから、もっと学術書寄りのものも読みたいところです。

今年のノーベル経済学賞。ランダム化比較試験で様々な途上国開発施策を検証する話の背景として、どのような現状と課題、先進国の思い込みや誤解があるかも語られていて、読みやすい本でした。筆者の一部がインド出身なのもあるかも。

愛という名の支配 (新潮文庫)

愛という名の支配 (新潮文庫)

  • 作者:田嶋 陽子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/10/27
  • メディア: 文庫
田嶋陽子といえばビートたけしの番組で怒っていたおかっぱのおばさんというイメージでしたが、復刊したということでインタビューなどを見ると落ち着いていて、印象が違ったので読んでみました。
「男は女の家事労働や育児に感謝しますが、それをする女を尊敬はしません。女が育児や家事労働に終始すればするほど、女全体が女性蔑視の対象にされるということになります。」
など、平易な言葉で女性、男性、フェミニスト、自分の過去を批判していて、読む人が読めば辛いかも。女はガレー船の底の奴隷扱いである、という言い方でずっと進むので。

子育て中のご自身の話をたまにいれて、冷たくならないように配慮しているのがアメリカで先生されてる方らしい感じ。子育てが終わった世代や政策に関わる方にも読んでほしい。

Kaggleで勝つデータ分析の技術

Kaggleで勝つデータ分析の技術

ある程度知識がある上で読んた方が良い気がするけど、完全にプラグティカルで良かったです。中途半端に理屈を説明するよりもスッキリしてて読みやすい。

ランダムに読んでいた本。韓国は北朝鮮と合併すれば日本よりも強大になる話と、アメリカの機嫌を損ねていて駄目だという話と、色々あってポジショントークなのか何なのかという感じで、自分の中ではあまりまとまらず。


2020年はもう少しテクニカルなものを読みたいと思います、ディープラーニング流行以前の知識で止まってる機械学習とか……。